伝統ある避暑地として人気のある軽井沢。
緑あふれるその地にかねてより訪れてみたかったフレンチレストランがあります。
「ブレストンコート ユカワタン」
星野エリア内、軽井沢ホテルブレストンコートのメインダイニングです。
「ユカワタン」の由来は、お店近くをながれる「湯川」とフランス語で時間を表す「Temps(タン)」を合わせた造語なのだそう。「ゆったり流れる湯川のようにゆっくりお過ごしください」という意味だとスタッフの方に教わりました。
「敷居が高そう」「お値段張るのでしょう?」ととなえる方もいるでしょう。
確かにお高い料金です。
でも、それ以上にここでしか味わえない本物の料理、スタッフとの会話、サービスが体験できます。
今回は、名店「ユカワタン」の実食レポ&魅力ポイントなどお伝えします。
大人の雰囲気漂う森のレストラン
場所は中軽井沢 ホテルブレストンコート敷地内
外観です。
緑豊かな木立の中にたたずむ一軒家。ワンフロアーの造りです。
宿泊していた星のやのスタッフさんに扉前までエスコートしていただき、お店の担当の方とバトンタッチ。
実は予約時間を間違えてしまい45分前の到着。
にもかかわらず、快く迎えていただきました。
9テーブル、24席の配置。
上品に整えられた空間!ため息がでるほど素敵!
逆に場違いすぎて気持ちが窮屈になったらどうしょう⁈とも思いましたが、ユーモラスでお話上手な担当スタッフのおかげで笑いが絶えない時間を過ごしました。
シェフおまかせのひとコース
飲み物
アルコールが飲めないのでぶどうジュースをお願いしました。
アランミリア(赤、白)
ぶどうをそのままギュっと絞ったようなテイストで、甘さと酸味のバランスも絶妙。だいたい有名店ではこちらのぶどうジュースが出てくる率高いと思っています。こちらでもお目にかかれてうれしい。ネットでも購入できるので、一度お試しする価値ありですよ。
さぁ~これから宴が始まります~。
期待ふくらむアミューズ11種
まずは、アミューズをさら~とご紹介
地元の木工所にオーダーしたという六角形の器の上に
- フロマージュ・ド・テッド(ミミガーのゼリー寄せ)
- パテ・ド・カンパーニュ(豚肉のパテ)
- 馬肉のタルタル
- メルゲーズ(羊肉のコロッケ風)
- 雪の下ニンジンポタージュ
- グリーンオリーブのチュイル
- ブラックオリーブのソルベ
- スズキのマリネ
- 稚鮎のエスカベッシュ
- 白海老のタルト/桜海老のタルト
- 北寄貝のポシェ
伝統的なフレンチ11種をひと口サイズで。
なかでも私のお気に入りは、「馬肉のタルタル」(写真1枚目、中程)
タルタルとは、元来生の素材を細かく刻んで混ぜ合わせた料理が由来なのだそう。
フランス版ユッケみたいなものです。
揚げた細切りジャガイモとのコンビネーションがよかった
お次の前菜からは、品数、量が多く調整可能ということでしたので少なめでお願いしました。
メイン級の前菜4品
まずはひと皿目
鯉とビーツのレゾナンス 紫蘇の香り
こちらは、唯一の通年メニューです。
「鯉は苦手と言われる方が多いと思うのですが、だまされたと思って食べてみてください」
から始まった一品。
お隣の町の名産佐久鯉を使用。
なんと直前に締められたとか。
新鮮そのものでもうコリッコリ。
魚の鮮度、色鮮やかなビーツのソース、赤紫蘇のパウダー、そしてやまぶどうの甘味がうまく重なり川魚独特の匂いがみじんもない。
感動しました。
お次、キボウシの蓋の中には
アンティチョークのグラチネ
「グラチネ」とは仏語でオーブンなどで加熱して焼き色を付ける技法のことなのだそう。
少し意味が異なるようですが、いわゆるグラタン。
中の具材は、自家製ベーコンと白トリュフ。
ベーコンの塩味とクリーミーでほくほくとした味わいのアンティチョークがたまりません。
白トリュフもはいってるなんてなんて贅沢!
根元までこそげとってきれいにいただきました。
もうひと皿おかわりしたい気持ちをグッとこらえました(笑)
前菜3皿目は鰻とフォアグラのテリーヌ
手前上の赤いキューブ状のものは、ガストリックソースをゼラチンで固めたもの。
「いつも下支えとなっているものを表に持ってきました」と
ガストリックソースってなに?
お恥ずかしながら、初めて聞きました。
ググってみると、材料は砂糖、酢、水を火にかけカラメル状になるまで煮詰めてつくるのだとか。
もうひとつ上にのっているムース状のものは、アールグレイのクリーム。
そのふたつが濃厚な食材にまろやかさとあっさり感が加わり良い仕事していたことは言うまでもありません。
4皿目、レタスのサラダ
う~ん、レタスがパリッパリ!
ドレッシングはレモン果汁とEXオリーブオイルベースのビネグレットソース。
コンソメゼリーが葉っぱの間に仕込まれていてさっぱりいただけます。
かかっている黒色のパウダーはブラックオリーブパウダー。
メインの前のお口直しに最高のひと品でした。
肉料理1 ミルキーな仔山羊肉 乳飲み仔山羊のロティ
乳飲み仔山羊のロティ クレソンソース
生後40日の子ヤギの様々な部位を海苔巻き状に仕立てた一品。
「生後40日は、お母さんのミルクだけで育てられているのでとてもミルキーなあじわいになります」と。
なるほど!
ミルキーでコクがある!
低温調理されているので素材本来の味が楽しめますし、ほんとに柔らかく仕上がっています。
クレソンソースは仔山羊のだしと山羊のミルクで調味されているとな。
どうりでまろやかな味わいに。
皿にソースの跡が残らない程パンできれいにふき取っていただきました。
魚料理 バターの風味豊かな イワナのムニエル
長径30㎝超のフライパン!私たちのためだけのひと品。
イワナのムニエルです。
こちらのイワナは3年もの。出回っているものは1年ものが多いとか。
「ユカワタンではこの年数にこだわりを持っています」と。
安曇野のわさび園の湧き水でゆったり育てられたイワナさん。
テーブルに運ばれた途端に香ばしい焦がしバターのかおり。
さっぱりとした川魚にバルサミコソースが良いコンビネーションです。
さすが主役となるお料理!
いただいた中で一番好きかも~と思わせてくれるひと皿でした。
お変わりしたい気持ちにブレーキ!
一尾すべて私たちだけのものでお変わり自由でしたが次の料理に備えましたわ。(あ~残念!後ほどコウカイ!)
肉料理2 おどろきのヴェッシー 鳩肉のヴェッシー包み
鳩肉のヴェッシー包み
このまあるい風船のように膨らんだ物体はなんだと思いますか?
そう!こちらがヴェッシー(豚の膀胱)です。
古典的フレンチの調理法で、とても手間がかかる料理です。
かのマリーアントワネットも食されたらしいです。
下処理した膀胱を少しずつ膨らませ大きくすること2週間。
その工程は、膀胱に少しずつ空気を入れて一日乾燥させる、翌日水でもどすを繰り返します。
その後具材を詰めタコ糸で縛り、お湯に一定時間くぐらせ蒸し焼きにするというプロセス。
ヴェッシー包みの優れた点は、中に入れた食材をゆっくり火入することにより、水分や香りを逃がすことなく素材本来の美味しさを堪能できることにあるとか。
料理の完成形は、一旦厨房に引き上げ切り開いて仕上げます。
わぁ~、トリュフがふんだんに!
今回のヴェッシー包みは子鳩肉。
ですが、トリュフさんのおかげで(笑)なかの子鳩肉が写っていませんでした。(悪しからず…)
フランスで鳩肉は高級品。私自身はじめて食しました。レバーのような赤みをおびた肉。食感はしっかりめの弾力。でも、決して固くなくジューシーです。鳩のだしベースのフォアグラ&黒トリュフのソースがまろやかであり濃厚でもありほんとに美味しかった!
お次は、チーズの盛り合わせ。少しずつお願いしました。
ウオッシュタイプ2種とゴルゴンゾーラ、山羊のチーズと…あとわすれました^^;
興味本位でチーズは好きなのですがひとつずつどれがどれにあたるのか説明できなく…
もっとちゃんと聞いておけばよかったです。。。(スミマセン )
ただ、ウォッシュタイプや山羊のチーズは独自の強い香りがあります。
フルーティーなソースや調味により美味しくいただけるよう工夫されていたことは言うまでもありません。
ワインが飲めたら最高のお供になるのになぁ~。飲めないのが残念です。
次からはデザート3品
さくらんぼのコンポジション
上からジンジャエールのエスプーマ、さくらんぼのアイス、杏仁のアイス、ヨーグルトが重なっています。
エスプーマの口当たりが好きなんですよね~!
炭酸のシュワシュワ感とアイスが口内でとけあい美味しく楽しいデザートでした。
こちらは、ミルフィーユショコラ。
薄く焼き上げたチュイルの中に様々な製法で作られたショコラが仕込まれています。
クリーム状、シャーベット状に仕立てられたショコラの上に燻製にしたショコラパウダー。
風味豊かな濃厚ショコラのあじわいに虜になりました。
お腹が満ち足りていてもこれぞ別腹!
コース最後の小菓子は、フィナンシェとブルーベリーのタルト。
くりぬいたフィナンシェの中にはレモンソース、もうひとつのタルトもあとくち爽やかにしめくくりました。
考え抜かれた料理の構成に脱帽でした。
✔素敵ポイントをチェック!
ここでしか味わえないフレンチ
前述した鳩肉のヴェッシー包みは、豚の膀胱を用いたクラシックフレンチの調理法です。かつて、調理器具が発達していなかった時代に食に対する追求心から生み出た方法。そして現代に受け継がれた今でもとても手間とコストがかかります。近年本場フランスでもヴェッシーの入手が困難な時代に、そこに挑戦する食への情熱を感じたお料理でした。
テーブル担当者の料理のプレゼンにくぎ付け
楽しいひとときでした。
料理をサーブされるときのユーモアある第一声に気持ちが和み、またそこから会話が弾んでいきました。
次の料理はどんな紹介をされるのだろう?とワクワク!
レストランのもうひとつの楽しみ方を教えていただきました。
間違いなく再訪したくなる理由のひとつです。
おもてなしの心が随所に
刃物で有名な福井県越前の特注品。
よ~く見ないとわからないところにロゴが刻まれています。
なんかかわいい!
切れ味も驚くほどバツグン!
他のカトラリーもピッカピッカでしたよ。
インスタグラムが開設されました
素敵な画像!
つい1か月前のことが夢のようですわ。
【まとめ】おどろきとこだわりが詰まったユカワタンワールド
普段のくらしから離れ、自然豊かなリゾート地で最高の仏料理が楽しめます。知識豊富でフレンドリーなスタッフとの会話も楽しいです。古典的フレンチを軽井沢の新鮮な食材とともに堪能できます。容易くおとずれることはなかなか難しいですが、ときにはおしゃれして本物の料理をもとめに行く価値ありのレストランです。
人生後半戦をむかえた今、私がお金を使いたいところです。
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ブレストンコート ユカワタン
所在地 長野県北佐久郡軽井沢町星野 軽井沢ホテルブレストンコート敷地内
営業時間 17:30~ (不定休)
予約方法 Web https://www.blestoncourt.com/dining/yukawatan/
Tel 050-5282-2267(受付時間 10:00~20:00)
コース シェフおまかせコース(ワンコース)
27500円(税抜き価格25000円)/人……8/1よりアップしています(7月中旬訪問。ギリギリセーフでした)
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